<本日の患者>
C.B.さん、61歳、男性、蕎麦屋主人
「先生、新しい脂質異常症の診療ガイドラインが出て、子供のうちからコレステロールの検査を薦めているんだって?」
「米国の脂質異常症ガイドラインのことですね。まだ日本ではあまり話題になっていませんが、R.B.さんから聞いたんですか」
「あ、バレちゃいましたね、そうなんです(笑)。『親父に関係することだから』って、いろいろインターネットで調べてるんです」
「確か看護師になって2年目ですよね。頼もしいです」
C.B.さんは、2024年2月『<医学的客観性か、患者への配慮か>医師と患者はどう診療方針を決めるのか、医療における「エビデンス」の特殊性を理解する』で登場した、蕎麦屋のご主人である。主に脂質異常症のマネジメントでこの家庭医診療所を利用している。昨年、息子のR.B.さんが大学の看護学部を卒業して看護師免許を取得して総合病院に勤務している。
新しい脂質異常症マネジメントのガイドライン
今年5月に、米国心臓病学会(ACC)とアメリカ心臓協会(AHA)は、関連する多くの学術団体と協力して、脂質異常症のマネジメントについてのガイドラインを発表した。18年のガイドラインからの大幅改定となるこのガイドラインは、従来の「問題が生じてから薬で対処する」という対症療法から、生涯にわたり悪玉コレステロールへの暴露を最小限に抑え込む「ライフコース・アプローチ(生涯を通じた取り組み)」への転換を宣言しており、心筋梗塞や脳卒中などの心血管疾患予防の世界に大きなパラダイムシフトをもたらしたのだ。
そのエッセンスは、「より早期にスクリーニングし(Screen EARLIER)、 定期的に検査し(Check REGULARLY)、悪玉コレステロール(LDL-C)の治療目標値をより厳格に設定し(Aim for LOWER LDL-C)、より長期にわたって治療する(Treat LONGER)」ことである。
