2026年10月27日(火)

日本の農業論にモノ申す

2026年10月27日

 米国から日本に対し、生鮮ジャガイモの市場開放を求める圧力が一段と強まっている。米国産ジャガイモはこれまで、ポテトチップスなどの「加工・原料用」に限定して輸入が認められてきたが、米国側はこの規制を撤廃し、一般消費向けの生鮮市場への参入を強く要求している。

(grafvision/gettyimages)

 もし輸入が解禁されれば、店頭や外食産業でより安価なジャガイモが流通し、家計や事業者には一定の恩恵があるかもしれない。しかしその一方で、国内のジャガイモ農家や産地には強い危機感が広がっている。

発生すれば作付けできなくなる

 解禁反対の最大の根拠として挙げられるのが、病害虫の侵入リスクだ。農林水産省がリスク評価で協議が必要と特定した病害虫は21種。中でもジャガイモの根に寄生する「ジャガイモシロシストセンチュウ(Gp)」については「未侵入の病害虫が持ち込まれれば日本の生産現場が壊滅する」といった警戒論が根強い。

 ただ、Gpは国内未侵入の病害虫ではない。すでに日本国内でも確認されており、日本自身も国際的には「発生国(汚染国)」と位置づけられる。

 Gpが厄介なのは、雌が卵を抱えたまま硬い殻「シスト」へと変化する生態にある。シストは乾燥や低温に極めて強く、土壌中で10年以上生存が可能とされる。一度畑に定着すると農薬散布だけで完全に根絶することは困難で、長期間にわたりジャガイモの作付け自体ができなくなる。

 実際、2015年に発生が確認された北海道網走市周辺では、16年から植物防疫法に基づく緊急防除が実施されており、現行計画では29年まで続けられる予定だ。


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