2026年11月9日(月)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2026年11月9日

 2026年10月20日付ウォールストリート・ジャーナル社説は、プーチンが提案している「米中露首脳会談」は、世界を勢力圏に分割することとなり、米国は国際的な信用を失墜させ同盟関係を崩壊しかねないと強く警鐘を鳴らしている。

(olrat/BABAOUI CHOUAAIB/gettyimages・UPI/AP/アフロ)

 トランプは以前からロシアや中国との「大取引」を強く望んでいた。ウクライナや欧州に対する敵対姿勢を強め、プーチン、習近平との「ヤルタ2」会談を模索している背景には、そうした動機があるのかもしれない。

 「ヤルタ」という例えは、必ずしも適切ではない。1945年当時、スターリンとチャーチルは米国の同盟国だったが、現在のロシアと中国は敵対国だからだ。とはいえ、当時の三首脳が世界を分割しようとしたことは事実で、トランプが現在示唆している構想にも、それと同じ危険が潜んでいる。

 プーチンは、ウクライナ戦争を終結させるための三者会談を提案している。5年近くが経過してもウクライナを征服できずにいる同氏は、世界政治の舞台で「第二戦線」を開くことで征服の成否を握れると考える。

 トランプはこうした会談に応じる姿勢を示した。トランプは、ロシアに対する新たな石油関税や制裁を見送った他、ロシア産ディーゼル燃料が世界市場に流入することを容認した。

 またトランプは、数カ月間にわたり、習近平との取引成立を求めてきた。彼は、ロシアと中国と妥協しようとしているのか。もしそうなら、彼は国内外で大きな災いを招くことになる。

 習近平、プーチン、トランプがウクライナの運命を勝手に決めるような協議を行えば、大きな過ちとなるだろう。さらなる紛争の種をまきかねない。


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