他方、中国の同意を得ることは難しいだろう。中国はウクライナ戦争で事実上ロシアを支援しながら、表向きは「公正な立場」を標榜している。「三首脳会談」でロシアを支持することは、この「建前」を崩すことになる。
次に、トランプは、「核兵器と非核化のために行う」として、中国の急激な核開発を抑えることが主目的であると主張している。しかし、上記社説にもある通り、核開発では米露両国が優位にあり、中国が自国の核開発に制約を課す核軍備管理交渉に乗ってくるはずはない。
加えて、核軍備管理交渉は極めて技術的な調整を必要とするが、11月18日までに首脳会談の準備ができるとは思えない。習近平にとっては、例えば、台湾問題について「独立を支持しない」といった共通の立場を打ち出せるのであれば意味があろうが、米国が受け容れるとは思えない。
プーチンを利するだけ
以上のように、三首脳に共通の議題を見出すことは難しいのだが、プーチンにとっては開催の象徴的な事実だけで十分意義がある。国際刑事裁判所からの逮捕状、前例のない制裁を受けてきたプーチンにとって、トランプ、習近平と共に世界秩序を語り合うという「形」それ自体が、世界の指導者としての姿を見せつける絶好の機会になる。
ただ、トランプと習近平にはそれほどのメリットはない。そもそも「三首脳会談」は、開催の必然性のない会談であり、ウクライナ侵略を首謀し、「前例のない」制裁を科された国の元首、国際刑事裁判所から逮捕状を発せられているプーチンに対し、あたかもグローバル秩序形成の主要なプレーヤーであるかの印象を与える舞台装置であって、西側同盟の結束を揺るがし、さらにグローバル・サウスからも受け入れられない「強者による支配」を象徴するものになる。仮に実施された場合は、その意味合いを極力小さいものと位置付ける対応が求められる。
