11月2日に発足した防災庁。石破茂前首相時から準備され、今年7月には防災庁設置法が可決、成立した。防災庁ができることで具体的に何が変わっていくのか――。防災庁統括官(防災計画担当)付参事官(防災計画担当)付参事官補佐の大山璃久さんに聞いた。
編集部(以下、——) 11月2日に防災庁が発足した。
大山 防災庁は、日本近郊で起こるとされている「南海トラフ地震」「日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震」「富士山噴火」「首都直下地震」といった国難級の災害のほか、豪雨、火山など、様々な自然災害への対策を担う内閣総理大臣をトップとする組織です。予算や人事、広報を担う「総合政策」に加え、大規模災害への対応や訓練・人材育成を行う「災害事態対処」、災害リスク評価や対策、事前防災の推進などを行う「防災計画」、デジタル防災技術の活用や産学官民支援体制の構築、普及啓発や防災教育などを行う「地域防災」の4つの部署から構成されます。
防災庁の役割として、「徹底した事前防災の推進や、発災時から復旧・復興までの一貫した災害対応における司令塔」と掲げています。
――組織としての変化は。
大山 これまでは、内閣府防災担当が政府全体の防災政策の取りまとめや、自治体の防災対策の支援を行っていましたが、人員不足という大きな問題がありました。
2024年1月に能登半島地震が発生した際、内閣府の防災担当は110人程度しかおらず、幹部ポストも実質的には1人。能登半島地震の対応にほとんどの内閣府防災担当の職員を動員しなければならず、その間、事前防災の取り組みを一時的に中断せざるをえない状態でした。南海トラフ地震のような国難級の災害がいつ起きるかわからない中で、災害対応と並行で、事前防災もできる体制をつくる必要がありました。
防災庁では、関係省庁や自治体からの出向、元自衛官や消防団員など、定員352人を集め、事前防災と災害対応を同時にできる体制づくりを進めています。また、他の省庁や自治体など様々な経験を持つ職員の知識と、防災庁採用の職員の専門性を活かし、多方面から事前防災の推進を図ります。

