2026年9月30日(水)

チャイナ・ウォッチャーの視点

2026年9月30日

 去る9月23日からの中国・習近平国家主席の米国訪問は、トランプ米大統領による空港での出迎えから見送りに至るまでの周到なもてなしぶりが全世界の耳目を集めた。そして中国側は5月の米中首脳会談で確認された「建設的戦略安定関係」の文字通りに、中米両国の相互尊重・公平・台頭な関係を米国に対して再確認させ、今や中国が米国と並び立つ大国として台頭するとともに、中国の力こそが世界を導く「中華民族の偉大な復興」と米国のいう「Make America Great Again」が決して対立するものではないことを華々しく見せつけようとした。

(vectorplusb/gettyimages・ロイター/アフロ)

 果たして中国は、彼らの狙い通りに米国や世界の認知を変え、アジア太平洋地域における主導権の礎を得ることができたのか。日本は今回の会談をどのように評価すれば良いのか。以下、会談とその前後の様々な状況から考えてみたい。

第三国での祝宴で執拗に日本を持ち出す中国

 中国側は今回の米中首脳会談について、自国民と諸外国に対して大きく華々しいものに見せ、彼らのメッセージを正面から見せつけようとしていたことは間違いないだろう。その中でも特に目立ったのは、習近平氏が国賓訪問という場において第三国である日本を繰り返し名指しで批判し、米国を彼らに同調させようとしたことである。

 習近平氏はまず、ホワイトハウス到着時の歓迎式典で「第二次世界大戦の期間、中米は肩を並べてファシストの侵略に抵抗した。このような歴史を中国人民も米国人民も忘れることはできない」と述べ、これに対してトランプ氏も、歓迎するスピーチの中で「我々は同盟だったこともある」という趣旨を述べ、大いに内外の耳目を惹いた。

 さらに習近平氏は歓迎の宴においても、「80年前、中米両国人民は肩を並べて作戦し、日本軍国主義侵略者を撃破した。血と火で鍛造された友誼は必ず世代を超えて伝わる」と強調した。

 ちなみに歓迎宴の場では、習近平氏以下の党・政府重鎮がこぞって、昨年秋の日中関係紛糾時に居丈高な態度をとった外交官・劉勁松氏と同様の詰め襟学生服のような服を着ていたが、これはどうやら近年中国で、孫文や毛沢東らが着ていた中国革命の服装=中山服をアレンジした正装で、中国側の原理原則を代表する場面で着用するものとされているようである。

 このような流れをうけて、両国が会談終了後に発表した「8点の共通認識」(中国)「ファクトシート」(米国)においても「中米両国が第二次世界大戦時に同盟国であったことを思い起こす」という趣旨が記載されている。


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