2026年10月28日(水)

巨大災害時代を生き抜く

2026年10月28日

 気候変動により台風や大雨による災害が激甚化している。地震や噴火など他の災害と重なるケースも出始めている。

2000年の三宅島噴火により、島民は4年半にわたり島外避難生活を送った(AP/AFLO)

 一方で自治体職員の数が減っていて、住民避難の遅れや避難所環境が不十分である場合や、罹災証明発行の遅れ、上下水道などライフライン復旧の遅れなど、深刻な事態が生じている。

 近く防災庁が設置されるが、自治体職員に代わって現場対応する組織ではないので直ちに上記の事態が改善されるわけではない。近隣自治体と都道府県庁は最初から応援に入る体制をつくるべきだし、現代の発達した通信などの技術も末端の現場で活用できるよう整備すべきだ。

 気象庁・文部科学省によると、1時間に80ミリ以上、1日降水量300ミリ以上といった非常に強い雨は、1980年頃と比べて、近年にはおおむね2倍程度に増加しているという。台風の数は増えなくても台風が巨大化するリスクも高くなっている。洪水や高波、そして都市部のインフラの能力を超える風水害のリスクも高まっている。

 61年に成立した「災害対策基本法」は、住民への避難指示や現場における避難所の設置・生活物資の支給・仮設住宅の建設など応急対応の実施は自治体が主体となって対応することとしている。

 リスクは高くなっているにもかかわらず、99年から2010年頃までの「平成の大合併」によって全国市町村数は約3200から約1700へと減少し職員数も減った。全国市町村等の職員数は総務省の資料によると、00年の150万人台から25年には130万人台に減少している。

 合併により管轄地域は広くなった一方で、職員数が減少したのだから、その分、災害対応力は弱くなる。合併を別にしても、もともと小規模な町村では職員が数十人しかいないところが多い。

 東京都でも小規模な町村が多摩や島しょ部にあるが、職員数が50人以下あるいは100人以下という町村が多い。しかも条例で定めている職員数の上限に対し、8割程度しか充足していない町村も多く、普段から防災係長と総務係長を兼任しているなど、防災専任の職員が不在のところも多い。

 自治体の規模が小さいため、初期対応が遅れると苦情も殺到し、メディアも批判するので、その対応に追われて応援受け入れを調整することができず、現場は混乱する。小規模自治体に対しては災害発生直後から近隣自治体や都道府県庁が応援に入るべきだ。


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