2026年11月9日(月)

トランプ2.0

2026年11月9日

 米国の中間選挙は民主党の大勝という結果で終わった。民主党優勢は、各種調査によってかなり早い段階から言われていたが、2016年の大統領選挙で世論調査を真に受けてヒラリー・クリントン優位と報じたような過去の選挙での失敗の反省から、当初どのメディアも慎重に報じていた。多くのマスメディアは民主党寄りのため、これまでのトランプ絡みの大統領選挙で、期待して落ち込んだ経験から、また裏切られて傷つくことのないようにしているようにも見えた。

バンス副大統領は中間選挙の結果にどう動くのか(代表撮影/ロイター/アフロ)

 ふたを開けてみれば多くの世論調査によって予想されていた通り民主党優位で、しかも、予想を超えての大勝だった。「青い津波」と呼ばれたこの大勝利の中、伝統的に共和党支持のいくつもの州から民主党候補が当選したが、それは今後の米政治の流れにどのように影響するのだろうか。

 既に多くの米政治関係者の視線は28年の大統領選挙に向けられているというのも事実である。特に大敗を喫した共和党の大統領候補の座を狙う者にとって、トランプの影響力に陰りが見える中、トランプのお墨付きばかり頼りにするわけにもいかないことが改めて明らかになったといえる。敗北は、共和党の次の大統領候補、すなわちトランプの後継者選びにどのように影響するのだろうか。

バンスはどう動くのか

 一番の候補は、大統領継承順位第一位の地位にあるJ・D・バンス副大統領である。有名な自伝『ヒルビリー・エレジー』にあるような、オハイオ州出身で、自身も貧困層から這い上がった経験を持つため、ラストベルトの人々に共感を持って話しかけることや、28年に44歳という若さは強みとなる。

 今回の中間選挙での共和党の大敗は、彼にとって、試練とチャンスという二面的な意味をもつ。試練はもちろん、今回の結果がトランプ・バンス政権への国民のノーであるという点である。中間選挙が政権の中間試験と言われる所以である。

 一方で、今回の敗北を古い共和党主流派の責任として、アメリカファーストの正当な継承者である自分が共和党をまとめなければ大変なことになるという物語を作り上げるチャンスとなる。中間選挙直後に、バンスが敗因をイラン戦争と言い切って、戦争と距離を置こうとしたことにその動きは既に始まっていると見ることが出来る。


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