民主党に目を転じると、今回の中間選挙のそのままの勢いで、民主党が28年の大統領選挙でも勝利し、トリプル・ブルー(大統領、上下院すべて民主党)を達成するだろうと考えるのは早計だろう。いつもは共和党支持の赤い州の有権者の多くは、兎にも角にもあまりに物価高がひどいので、ひとまず民主党にチャンスを与えてみようと考え民主党に投票したのである。民主党のリベラルなアジェンダに共鳴したわけではない。
大統領が共和党で議会が民主党多数というねじれが存在する以上、議会民主党が成果を出すことは容易ではないだろう。この2年間に、民主党多数の議会が物価高対策などで成果を出せなければ、期待が失望にかわるに違いない。伝統的共和党員でありながら今回は民主党に票を投じた有権者が、インタビューに答えて、「(このチャンスを)ふいにするなよ」と言っていたのが印象的だった。
政権は先鋭化か
11月6日、ワイルズ首席補佐官が辞任し、ミラー次席補佐官が後任となると発表された。ホワイトハウスに秩序をもたらしていた存在が去り、トランプ政権はより戦闘的なモードに移行するとみられている。
これは少なくとも短期的にはアメリカ第一主義を忠実に引き継ぐバンスにとって有利に働くだろうが、党内中道派の危機感は高まり、共和党の亀裂はより深まる可能性が高い。ルビオは冷静に見ているだろうし、デサンティスは自分主導で党の再建を模索するだろう。
色々なことが政権の終わり間際に先鋭化していくことはえてして起こることである。トランプは米国に分断をもたらしたといわれるが、その大きさや深さが本当に明らかになるのは、トランプ政権が終わってからなのかもしれない。
