2026年11月6日(金)

勝負の分かれ目

2026年11月6日

 サッカー日本代表がシンガポールでブラジル代表(14日)、パラグアイ代表(17日)と親善試合を行う。6月のワールドカップ(W杯)北中米大会決勝トーナメント1回戦で敗れたブラジルとの再戦となるのだが、注目はそこだけではない。サッカー日本代表が「輸出コンテンツ」としてデビューするのだ。

サッカー日本代表は輸出できる「コンテンツ」になろうとしている(森田直樹/アフロスポーツ)

 この国際親善大会の主催には日本サッカー協会(JFA)の名前はない。電通、シンガポール政府系のイベント会社The Kallang Group (ザ・カラン・グループ)など4つの団体が主催する。強豪国との対戦カードで日本がゲストとして招待されることは極めて異例の大会といえる。

 JFAにとってはこれまでにないやり方の国際親善大会を是が非でも成功させたい事情がある。それはいったい……。

新たな収益源の必要性

 JFA・宮本恒靖会長は10月に東京で行われたアジアサッカー連盟(AFC)の国際幹部会議で、「私たちJFAはこれまで以上にお金をうみださなければなりません」と異例のスピーチを行った。ネガティブな意味ではないと前置きこそしたが「欧州クラブに所属する選手たちを国内の親善試合に呼び戻す際に膨大な渡航費がかかる。協会の財政に一定のプレッシャーを与えている」と、台所事情を訴えた。

アジアサッカー連盟の会議後に囲み取材に答える宮本会長(筆者撮影)

 2024年3月に就任した宮本会長のミッションのひとつにJFA財政の安定化がある。JFAには年間200億円台の収入がある。日本のスポーツ協会では抜きに出た収入ではあるものの、右から左に自由に使える現金ではない。

 男女各世代の代表チーム強化を筆頭に、指導者、審判員の育成や地域貢献事業に加え、サッカー全国大会の主催運営、職員も常時200人以上を抱えている。コロナ禍での代表戦の無観客試合も財政面への負担を与え、女子プロサッカーリーグ「WEリーグ」の運営や2020年に開設されたナショナルトレーニングセンターの「高円宮記念 JFA夢フィールド」の運営費も重くのしかかる。ここ数年は予算書の段階で赤字を見込む状態となってしまっている。

 02年の日韓W杯の収益により現金一括60億円以上で購入した自社ビル(JFAハウス)も22年に売却せざるをえなかった。その売却益は約120億円にもなったが、入金は24年度までに2年かけてすべで完了した。


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