2026年8月27日(木)

スポーツの新潮流

2026年8月27日

 野球は米大リーグ・大谷翔平選手の活躍などが連日のようにニュースで報じられ、プロ野球12球団の観客動員数がコロナ禍を除いて右肩上がりの人気ぶりだが、笹川スポーツ財団(SSF)が公表した「子ども・青少年のスポーツライフ・データ2025」によれば、野球を年1回以上した10代の推計人口は133万人(うち男子は113万人)で、01年の調査開始時の282万人(同266万人)からほぼ半減した。特に男子中学生の年代(12~14歳)は01年に52.7%だったのが、24.5%まで落ち込み、競技人口の縮小が懸念される。

ラグビーをはじめスポーツをやる子どもたちは年々減少している(NORIO TAKAZAWA/AFLO)

 日本全体の少子化問題もあり、競技人口の減少は野球に限った話ではない。スポーツをする子どもたちの数の落ち込みは、特に地方での団体競技や一部のスポーツにおいて、部員が集まらずにチームすら組めない深刻な状況をもたらしている。

 顕著な例が高校ラグビーだ。

 25年末から行われた全国大会の島根県代表は、選手が15人そろったのが1校のみで予選がなかった。他校は複数校による合同チームも組めなかった。

 ラグビーは高校の部員数そのものが大幅に減少している。全国高校体育連盟の25年度の加盟・登録状況によれば、ラグビーの部員数は約1万7000人で、公開する統計資料で最も古い03年度の3万人超から4割以上も減少した。

 オリンピック(五輪)で「日本のお家芸」と呼ばれる柔道もすそ野は先細る。全日本柔道連盟によると、記録が残る04年の高校生以下の競技人口(登録会員数)は約13万6000人だったが、25年には約7万4000人とやはり半減近い。

 一方で、こうした競技は、人気や日本の実力が凋落しているかといえば、そうとはいえない。ラグビーは19年、23年のワールドカップ(W杯)が国内でも盛り上がり、22年からは運営のプロ化を掲げた新リーグ「リーグワン」も開幕。柔道も21年東京五輪では男女合わせて史上最多9個の金メダルを獲得した。

 「上流」にあるトップレベルの人気や実力とは対照的に、「下流」のすそ野が先細るとどうなるか。幅広い層の子どもたちとスポーツの接点を生み出さない限り、子どもの「習い事」として熱心な家庭や、プロを目指すようなエリート層による寡占が進み、誰もがスポーツに打ち込める環境から遠ざかってしまう。

 同時に、プロリーグなどのビジネスが活況なスポーツ界にとっても、ライトなファン層を失いかねず、将来的な人気の衰退につながるリスクをはらんでいる。


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