2026年10月4日(日)

韓国軍機関紙『国防日報』で追う

2026年10月4日

 イラン戦争への対応で窮地に立つ韓国の李在明政権で、にわかに花が咲いた。第52代国防部長官に姜信哲氏が就任した。陸軍大将出身の長官は約4年ぶりで、軍の安定を図るためとされるが、就任の辞から批判の声も出ている。

 イラン戦争で窮地に立つ李在明大統領

 李在明大統領は9月18日、就任後7回目となる記者会見でホルムズ海峡への派兵について、戦争に関与・介入する派兵は行わないと明言した。一方、アデン湾で海賊対処にあたる海軍の清海部隊の活動強化を検討していることは認めた。

 発端は2月28日の米国とイスラエルによるイラン攻撃だ。イランが海峡を封鎖し、韓国が輸入する中東産原油の約95%が通るとされる航路が途絶えた。

 トランプ米大統領は3月、韓国を含む5カ国に艦艇派遣を事実上求め、4月には在韓米軍の規模を誇張しつつ、韓国は役に立たなかったと公然と批判した。5月4日には海運大手HMMが運用する貨物船ナム号が、海峡付近で正体不明の飛行体2機に被弾している。

 それでも世論は動かない。韓国ギャラップが9月8〜10日に行った調査では、派兵反対が55%で賛成32%を大きく上回り、与党・共に民主党の支持層では反対が69%に達した。イラン外務省報道官も9月7日、韓国語の声明を出し、作戦に参加すれば侵略への直接支援とみなすと警告した。

 清海部隊を海峡へ回す案にも壁がある。文在寅政権は2020年1月、派遣延長同意案にあった「有事に自国民を保護する際は指示された海域も含む」との条項を根拠に、国会同意なしで作戦区域をホルムズ海峡まで広げた。だが今回は交戦中の海域であり、安圭伯国防部長官自身が3月の国会で、憲法に基づく国会同意が必要だと答弁している。部隊の主力である4400トン級駆逐艦はイージス艦より防空能力が劣り、ドローン対処に限界があるとの指摘もある。

 韓国は今もレバノンにPKO部隊の東明部隊、アラブ首長国連邦(UAE)に特殊作戦部隊であるアーク部隊を派遣している。03年のイラク戦争でも、盧武鉉政権は米国の要請と派兵反対の世論の間で揺れた末に、工兵・医療など非戦闘部隊の派遣を選んだ。

 会見の翌日、大統領府は、今回の発言を派兵要請の拒否と報じたニューヨーク・タイムズに反論し、具体的な貢献策の検討を続けると表明した。


新着記事

»もっと見る