「軍の安定図る」新国防部長官の経歴
韓国の第52代国防部長官に9月22日、姜信哲(カン・シンチョル)氏が就任した。国防日報によると、同氏は就任の辞で軍を「戦士共同体」と位置づけ、地上・海上・空中のあらゆる領域で敵に勝利する軍を築くと強調した。
姜氏は1968年ソウル生まれの58歳。陸軍士官学校46期で90年に任官し、合同参謀本部作戦本部長、米韓連合軍司令部副司令官を歴任した予備役陸軍大将だ。李明博政権で大統領府行政官、文在寅政権で国家安保室の秘書官を務め、尹錫悦政権で大将に昇進した。
保革を問わず重用された経歴には、処世に長けただけとの冷ややかな評もある。昨年9月に退役し、今年1月からは駐サウジアラビア大使を務めていた。
前任の安圭伯(アン・ギュベク)氏は64年ぶりの文民長官だったが、防衛兵時代の服務離脱疑惑や士官学校統合への反発が続き、1年2カ月余りで交代した。大統領府は起用理由に、米韓同盟を土台とした自主国防の強化と、士官学校統合など国防改革の推進を挙げた。
陸軍大将出身の長官は約4年ぶりで、軍の安定を図る人事との見方が多い。国会聴聞会では撤去民向け特別分譲や長男の商業施設購入をめぐる疑惑が噴出し、経過報告書は与党単独で採択された。
人柄を伝える逸話もある。大隊長時代に部下1500人の名前をすべて覚え、中隊長時代には大雪の地雷原で自ら先頭に立ち、足跡を残して部隊を導いたと本人が語っている。大使在任中の3月には、韓国軍輸送機による中東からの退避作戦でリヤドの出発状況を点検した。この便には日本人2人も同乗し、高市早苗首相が謝意を示した。
ただ、就任前日に非武装地帯の地雷爆発で将兵が負傷したばかりの中、カエサルの戦勝報告の名句を引いた就任の辞は野党などから批判を浴びた。連合司令部副司令官だった昨年夏、次期合参議長の下馬評を問われると、後半生は本を読み、妻と旅をして過ごしたいと答えていた人物である。
