米国のトランプ大統領の鶴の一声で、米韓連合軍が最重要視する乙支フリーダムシールド演習がわずか4日で中止となった。これを伝える国防日報の詩的表現には、政治に翻弄される韓国軍の悲哀が滲み出る。他方、軍隊の福利厚生を行う軍人共済会が42年ぶりに大改革に着手したが、後味の悪い幕開けとなった。
トランプ大統領がSNSで表明
8月24日付「国防日報」の1面は、迷彩服の将兵と市民の笑顔を並べた写真特集だった。「自由の盾となって…この笑顔を守る」の見出しで、朝鮮半島有事を想定した定例の大規模合同軍事演習「乙支自由の盾(ウルチフリーダムシールド、UFS)」を伝えるものだが、今年の演習はその静かな標語とは裏腹に、前例のない幕切れを迎えた。
UFSは米韓が毎年8月に行う全国レベルの指揮所演習(CPX)である。3月の「自由の盾」(FS)演習と対をなし、上半期と下半期に一度ずつ、朝鮮半島有事を想定したシミュレーション基盤の図上演習を行う。実際に部隊を動かす連合野外機動訓練(FTX)は、そのシナリオと連接して別に編成される。
両演習は同時に、戦時作戦統制権回復の条件充足を評価・検証する場でもある。韓国政府は今秋の米韓安保協議会(SCM)で未来連合司令部の完全運用能力(FOC)検証を終える構えで、今年のUFSはその一里塚と位置づけられていた。
当初の計画は8月17日から27日までの11日間。北朝鮮の攻撃を防ぐ第1部「防御」に続いて第2部「反撃」を実施し、これに大隊級以上のFTX14件を重ねる内容だった。
ところが開始前日の16日、トランプ大統領がSNSで、金正恩氏との関係や訓練費用の問題を指摘して大幅縮小をヘグセス国防長官に指示したと表明。19日に米韓が同時に調整を発表し、演習は6日繰り上げて21日に終わった。

