2026年8月26日(水)

World Energy Watch

2026年8月26日

 生成AIを利用するには、大量のデータを処理するデータセンターが必要だ。生成AIの利用の広がりは、世界のデータセンターのほぼ半分を持つ米国で大手テック企業によるデータセンター建設ラッシュを引き起こし、米国経済の牽引役にもなった。

(BackyardProduction/gettyimages)

 大手テック企業に加え、半導体製造企業、データセンターに必須の発電機を製造する企業の株価上昇は、米国株の上昇を支えた。

 米国市民もデータセンターに比較的好意的だった。過去形なのは、この1年で米国市民の意識が変わり、データセンター反対が大幅に増えたからだ。自宅の近隣でのデータセンター建設に7割以上が反対との調査もある。

 反対の理由はいくつかあるが、市民の大きな懸念は、過去2年間消費者物価指数を上回る勢いで上昇している家庭の電気料金がさらに上昇することだ。

 現在の全米のデータセンター数は約5400だが、データセンターの新設計画がさらに約4000ある。ハイパースケールと呼ばれる大規模施設が多いため、電力を爆食いし電気料金をさらに押し上げるとみられている。

 生成AIを強く推進するトランプ政権も、電気料金の抑制に乗り出している。3月には大手テック企業をホワイトハウスに呼びデータセンター用電力供給を自前で手当てするように要請し、その後対象企業を拡大した。しかし、強制力はなく実効性は不透明だ。

 反対の市民が急増している状況は、11月3日に中間選挙を控えた政治家をデータセンター反対に追いやった。共和党の中からも大統領の意向に反し、データセンター反対を唱える知事と議員が出てきた。

 昨年の段階で全米50州の内42州にデータセンターを誘致する何らかの政策があるとされていたが、誘致政策の見直しあるいは凍結、撤回に踏み切る州、市、郡も次々登場している。


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