2026年8月26日(水)

World Energy Watch

2026年8月26日

 ローレンス・バークレー国立研究所は30年のデータセンターの電力需要量を5210億kWh~8430億kWhと今年6月に予測している。30年の米国の電力消費量の9.5%~15.3%に相当する需要量だ。     

 データセンター事業者は電力需要増を支える発電、送変電設備の手当てに乗り出している。GAFAMと呼ばれるアマゾン、メタ、グーグル、マイクロソフトは、小型モジュール原子炉(SMR)をデータセンター用に建設あるいは既設の原子力発電所から電力の購入を予定しているが、電気料金への影響を避ける形で契約を締結しているとされる。

 さらに、天然ガス火力発電所の新設計画もある。日本政府がコミットしている対米投資の一環としてソフトバンクグループと米企業による米国最大の920万kWの天然ガス火力発電所の建設が予定されている。

 オハイオ州の米エネルギー省所有地に建設される。電力の供給先は隣接するデータセンターだが、他の電力消費者に負担を求めない形の投資になるとされている。

 しかし、全データセンター事業者が自前の電源と送配電設備を用意する保証はなく、消費者が電気料金を通し投資額の負担を求められる可能性がある。消費者は、電気料金以外にもデータセンターによる冷却用の大量の水の消費、建設のための森林の伐採などにも不満を感じている。

米国市民に嫌われるデータセンター

 米国のメディア・ヒートマップとエンボールドリサーチによるデータセンターに関する過去1年間の世論調査の結果は、データセンターに反対する人が増え続けていることを示している。最新の調査では反対は75%に達している(図‐4)。

 6月に実施されたロイターとイプソスの世論調査では、自宅から10マイル以内のデータセンター建設に反対する人は59%。民主党支持者の68%、共和党支持者の56%が党派を超え反対している。

 ただし、「データセンターが住宅地から離れた場所に建てられるべき」を是とする比率は77%、否とする比率は19%だ。データセンターが必要なことは認めるが、自宅の裏庭には建てないで(NIMBY-NOT IN MY BACK YARD)と考える人が多いことを象徴している。

 家の近くが嫌と言う理由は、騒音、眺望に加え電気、水の過剰な使用による電気料金、水道料金の上昇だ。

 中間選挙を前に、有権者の間では党派を問わず生計費の上昇に関する懸念が高まっている。トランプ政権の経済政策への支持は、多くの調査で3割程度だ。

 エコノミストとユーガブが8月7日から10日にかけて実施した世論調査では、共和党支持者のみならずMAGA派と呼ばれるトランプの岩盤支持層でも徐々に不満が広がっていることが示されている。例えば、現在の経済情勢に関する質問では、全体の42%、共和党支持者も18%が悪いと回答している(図-5)。

 経済情勢の見通しに関する質問では悲観論が広まっている。全体の56%、共和党支持者の25%、その内MAGA派と自称する回答者の14%が悪化しているとし、良くなっているとの回答は共和党支持者でも32%に留まっている(図-6)。

 経済状況への懸念が高まり、党派を超えデータセンター反対の声が上がるので、民主党だけでなく共和党からもデータセンター新設に反対する声が出始めた。


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