福島県郡山市の磐越自動車道で2026年5月6日午前7時40分頃、部活動の遠征に向かうマイクロバスがガードレールに衝突した。乗っていたのは新潟市の私立北越高校男子ソフトテニス部の部員20人と運転者である。この事故で生徒1人が亡くなり、多数が重軽傷を負った。
筆者も長年、部活動顧問として練習試合や大会への生徒輸送に関わってきた。夢や希望をもって部活動に励んできた生徒が、このような事故で尊い命を落としたことに、やりきれない思いを隠せない。なぜこの事故は防げなかったのか。
この事故を受け、文部科学省と国土交通省は6月30日、「学校教育等に関する移動の安全確保のための対策」をとりまとめ、全国に通知した。学校教育等における自動車による移動時の安全確保について、(1)ガバナンスの徹底、(2)適切な事業者選定と契約の透明化・文書化、(3)レンタカーでの契約の在り方、(4)自家用自動車・レンタカー利用の際における「安全管理チェックシート」の活用、(5)運転者の手配の在り方、(6)教職員等の同乗について、(7)安全意識の啓発・研修等の7項目にわたり対策を示している。
文科省は5月19日にも、国土交通省と協議の上で部活動の遠征等における安全確保に関する通知を発出しており、同月21日には両省連絡会議を設置している。事故から2カ月足らずで対策を示した迅速さは評価されるべきであろう。
しかし、こうして国が示した対策で、事故をなくすことはできるのだろうか。
