誰も観客がいないはずの札幌ドーム(大和ハウス プレミストドーム)スタンド3階のボックスシートに、2人の高校生が参考書を広げて勉強をしていた。
ドームを管理・運営する札幌市の第三セクター札幌ドームが今年6月にオープンした自習スペースだ。地域に根差す施設として、試合のない日も住民らに活用してもらおうと始めた。
札幌市内に住む鈴木健太さん(17歳)は「野球が好きで、よくファイターズの試合を観に来ていました。思い出深いこの場所で静かに勉強ができてうれしい」と話す。スタジアム内にはキッズパークをはじめ、市内を一望できる展望台でヨガ教室を行うなど、様々な工夫をこらす。敷地内にバスケットコートやスケートボードエリアも設置している。
同社の2025年度決算は、北海道日本ハムファイターズが北広島市へ移転する前の22年度以来、3期ぶりの営業黒字となり、純利益も1億円を超えた。年間70試合にもおよぶプロ野球という〝収入源〟を失う中で、新たな取り組みで黒字転換させた。
札幌ドームは、5大ドームの中で唯一の公共施設だ。施設使用料は所有者である札幌市の条例で決められているという制約がある。
なぜ黒字転換できたのか。
