2026年9月17日(木)

教養としての中東情勢

2026年9月17日

 イラン戦争は終わりの見えない泥沼化の様相が濃厚となっているが、比較的影響を免れてきたサウジアラビアがここにきてメーンターゲットに。ペルシャ湾や紅海の出入り口が事実上封鎖され、日本の石油輸入にも深刻な影響が出始めた。

紅海を封鎖したフーシ派(AP/アフロ)

 しかも、サウジに衝撃だったのはトランプ大統領が軍事行動を拒否したことだ。サウジが狙われるのはイラン超保守派の“黒幕”の存在がありそうだ。

窮地に陥ったムハンマド皇太子

 イエメンの親イラン武装組織フーシ派は9月11日、同国沖のバベルマンデブ海峡にある要衝、ぺリム島や港湾都市モカを占領、紅海全域を掌握した。守っていたのはイエメン暫定政府軍で、兵士ら約500人が殺害された。同海峡はペルシャ湾のホルムズ海峡がイランにより封鎖されたため、サウジの石油輸出の重要な代替ルートとして脚光を浴びていた。

 フーシ派はイランの支援を受けるシーア派の反政府組織。イランはホルムズとバベルマンデブという2つの戦略的な海峡を事実上手中にすることになった。サウジはホルムズ海峡が封鎖されたため、国内を横断する東西パイプラインで紅海のヤンブーまで石油を送り、バベルマンデブ海峡経由で輸出してきた。

 ヤンブーからのサウジの石油輸出量は日量400万~500万バレル。最近になって同パイプラインでの輸送量を30%増大させ、日量700万バレルまで輸出できる態勢となっていた。

 しかし、サウジが窮地に陥ったのはフーシ派からの脅威だけではない。隣国イラクの親イラン武装組織がフーシ派の攻勢の直前に東西パイプラインをドローンで攻撃し、一部を破壊したのだ。

 サウジ政府は「予防措置」としてパイプラインの稼働を停止したと発表。アイルランドを訪問中だったトランプ大統領は「イランの関与」を指摘した。

 イラクの武装組織は7月にもサウジをドローン攻撃、この時はサウジが空爆で報復した。今回は、サウジは報復せず、イラク政府の調査に委ねるという。


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