9月9日から10日まで米国・テキサスの大都市ダラスで、共和党大会が開催された。1日目からトランプ大統領本人が登壇して、2時間近く熱弁をふるった。これはトランプの演説としては特段長いわけではないが、その中で、11月の中間選挙において上下両院で共和党が勝利したら、米国市民の全成人に一人5000ドル給付すると宣言し、全米が注目した。
5000ドルと言えば日本円で80万円近く、米国でも近年のインフレでドルの価値が下がったとは言え、インフレ前の犯罪ドラマなどでは「ファイブ・グランド」と表現され、まとまったお金を指すかなりの金額である。トランプがこの計画を発表すると、党大会の会場は大喝采に包まれた。
トランプはいつもの得意な名付けで、これは「トランプ配当」だと紹介。ただ、その財源は示さなかった。
トランプは、給付を約束すると同時に、自分の名前が投票用紙にあるかのように考えて投票してほしいと聴衆に懇願した。ただ、そうしないと「皆さんは国境、減税、安心、安全を失うことになる」と付け加えることも忘れなかった。
様々な参加者の〝声〟
この党大会で共和党関係者が順にトランプ支持の演説をする中で、違和感をもってとらえられたのが、ブランチ司法長官が登壇したことであった。司法の公平性から、司法長官は党大会への出席を控えることが慣例となっており、ここ60年間登壇した例はない。
極めて党派的な演説を行うと、すぐさま民主党を中心に批判が巻き起こった。ただ、司法省側は、「公務としてではなくあくまで個人の資格」で参加したと説明した。
民主党側を当惑させたのは、民主党のフェターマン上院議員がオンラインで登壇したことであった。共和党大会に民主党の現職議員が登壇することに前例がないわけではないが、党派対立が先鋭化している現在において、自党内の急進左派を批判するような発言をすると共に、「トランプ大統領と協力し、鉄鋼産業に根ざした生活様式を守り抜くために戦っていきます」と明言したことは、驚きをもってとらえられた。
