Fox Newsは、ABCやNBCなどとはトーンが異なり、トランプ本人やバンス副大統領のインタビューを放送し、弁護の場を提供した。バンスは、大統領が意図しているのは、労働者や中間層への還元だと修正し、国民にお金を戻すことの何が悪いと弁護した。
トランプは、ローラ・イングラハムの番組に出演し、中国から入って来る「美しい関税」を国民に戻すだけだと弁護した。ただ、なぜ今お金を配らないのかとイングラハムが迫る場面も見られるなど、政権第一期目と異なりトランプべったりではなく、一線を画する場面も見られた。
発言自体に違法性はない
そもそも党大会は大統領選挙の年に、党の候補者を決めるために開かれるものであり、それが中間選挙の年に開催されるのは異例である。今回は、各州の代表が参加するいつもの党大会と違って、ある種トランプを応援する大会のような集会で、当初取材するマスコミの空気は冷ややかなものが多かった。また何かトランプがやっているので一応取材しないといけないという雰囲気である。
それがこの5000ドル演説で大きく変わった。Foxのようなトランプ寄りのテレビ局だけでなく、いつもトランプに批判的なABCなどの三大ネットワークがこぞって夕方のニュースのトップで伝えたのである。
最近はトランプが何か発言したり、イランに対して新たな攻撃をしても、世間の耳目を集めなくなっていただけに、今回の反響の大きさをみると、その是非はともかくも、またしてもトランプにしてやられた感は否めない。実現の可能性については、予算措置の必要なこのような案件を決定するのは議会であるため、大統領一人で出来ることではない。
トランプ派の議員に法案を提出させ、それが通れば自分の手柄とし、もし否決されれば、議会が邪魔して実現できなかったと議会のせいにできるため、自分の格好はつくという目論見なのかもしれない。また、有権者にお金を配る約束は賄賂で違法なのではという主張に対しても、トランプのこの発言は、憲法修正第一条の表現の自由で守られており、候補者が私に投票してくれたら減税を約束しようと発言するのと同じで、有罪にすることは無理だというのが専門家の見方である。
この発言でトランプが困ることはなく、注目を集めることにまた成功したのだ。
