2026年8月14日(金)

勝負の分かれ目

2026年8月14日

 プロ野球・広島東洋カープをめぐり、指定薬物のエトミデート(ゾンビたばこ)の問題が、いまだに尾を引く。開幕前に医薬品医療機器法違反で逮捕された羽月隆太郎元選手が有罪判決を言い渡された後も、一部週刊誌が元選手への薬物譲渡で逮捕・起訴された男と現役3選手らが一緒にいる写真を掲載。さらに、広島県警は7月末、このうちの1人である矢野雅哉選手と、それまでに名前が挙がっていなかった前川誠太選手への同法違反容疑で家宅捜索を行った。

広島の矢野雅哉選手(産経新聞社)

 日本球界はくしくも、将来の野球振興の財源確保などを目的とした「スポーツ振興くじ(野球くじ)」の導入に向けた検討を開始したばかり。クリーンな球界イメージが不可欠な状況で、最悪のタイミングとなった。

動き出した「野球くじ」導入への議論

 「スポーツ振興くじの検討を議論の末、了承しました。実施に向けた課題を整理していきたい」

 スポーツ報知の記事によれば、7月16日のプロ野球・オーナー会議で野球くじについての議論が行われ、議長を務めた横浜DeNAベイスターズの南場智子オーナーは、スポーツ振興くじの対象に、プロ野球を加える検討を開始すると明らかにした。

 背景には、野球の競技人口の減少への危機感があり、くじの売り上げを将来的な野球振興の財源に充てる目的がある。

 日本国内でスポーツ振興くじを取り扱う日本スポーツ振興センター(JSC)によれば、2025年度のくじの売上は約1380億円。3年連続で過去最高を更新した。ここに野球が加われば、売り上げはさらに伸びる。

 サッカーのJリーグなどを対象にした人気のくじは、コンピューターが無作為に勝敗を選択する「非予想系」が主流で、球界の議論も「非予想系」を軸に据える。勝敗の予想がコンピューターに委ねられることで、八百長につながりにくいことも大きな利点だ。

 プロ野球界では、八百長が発覚した1969年の「黒い霧事件」で選手が賭博に関与した苦い過去から、試合の勝敗予想を賭けの対象にすることへの抵抗は根強い。15年と18年には、いずれも超党派の国会議員でつくるスポーツ議員連盟が主導する形でくじ導入の動きがみられたが、進展はしなかった。


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