野球の国・地域別対抗戦ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)は、ベネズエラの初優勝で幕を閉じた。2連覇を狙った日本代表「侍ジャパン」はそのベネズエラに準々決勝で敗退。8強止まりは過去ワーストの成績だった。
WBCはメジャーリーグ側が運営の主導権を握る特異な大会とはいえ、日本は、メジャー組召集の情報収集や短期での時差調整、国内にはないメジャー仕様のルールへの適応など、思わぬ“誤算”に苦戦した。次回大会は3月と7月の「分離開催案」も伝わる。
さらに、2年後のロサンゼルス五輪にはメジャーリーグが選手派遣に前向きだ。今後の国際大会を巡る情勢もめまぐるしく変わりそうな中で、日本球界も「世界一奪還」へ対応に迫られる。
メジャー組に与えられた〝配慮〟
WBCは準々決勝からは「一発勝負」のトーナメントになる。対戦を繰り返し、チームとしての総合的な強さを競うリーグ戦とは違うトーナメントの怖さである。
日本も敗れた準々決勝のベネズエラ戦の1試合に限れば、力負けしたとしても、一つの敗戦だけで、日本代表のレベル低下を嘆くほどではないだろう。メディアの検証でも、敗れた敗因は「実力差」よりも、むしろ“誤算”にあったと指摘する記事が目立った。
では、“誤算”はどこに潜んでいたのか。
1点目は、朝日新聞、産経新聞なども指摘した「もろ刃のメジャーリーガー頼み」ではなかったか。
日本代表は今回、史上最多となる8人の現役メジャーリーガーを招集した。選手選考において、実績、実力のあるメジャー組を軸に置くのは自然な流れだろう。しかし、「史上最強」の前評判とは裏腹に、チーム編成には神経をすり減らした。
まずは、代表選出まで時間を要した点だ。現役メジャー選手の招集は、窓口となる大会主催者の「WBCI」へオファーを出し、所属球団の判断も踏まえて回答を得ることになっていた。
高額年俸を支払うメジャーの所属球団としては、大会出場によるけがのリスクもあり、可否の判断に慎重だった。結果として、日本側の描いたスケジュール通りには進まなかった。
