2025年12月5日(金)

勝負の分かれ目

2025年8月27日

 沖縄尚学の初優勝で幕を閉じた第107回全国高校野球選手権大会(夏の甲子園)。球児たちの熱闘を後押しするのが、出場校の生徒、OBOGら関係者が一丸となって応援するアルプススタンドだ。

夏の甲子園で優勝を決めた沖縄尚学ナイン(スポーツ報知/アフロ)

 生徒らはカラフルな応援Tシャツなどを身にまとい、吹奏楽部の演奏に合わせて、チアリーダーと一体となって盛り上げる。各校が特色ある応援をする「夏の風物詩」でもあるが、全国各地から貸し切りの観光バスなどで甲子園に駆けつける費用が重くのしかかる現実がある。

 1試合あたり数千万円に上るとの報道もあり、学校が勝ち上がるほどに遠征費がかさみ、生徒たちの自己負担も増える。クラウドファンディング(CF)によって集めた寄付金でまかなうなど知恵を絞っても限界がある。

 国内最大級のスポーツのメガイベントでありながら、主催者側には積極的に収益を挙げて学校側へ還元する姿勢はない。高校野球はあくまで教育の一環という大義名分が妨げとなっているからだ。

優勝校も「支援」呼びかけ

 「沖縄尚学、クラファン1千万円達成」。地元紙の沖縄タイムスは決勝前日の8月22日、野球部を応援するCFが目標額に達したことを報じた。

 同紙によると、CFは学校関係者やPTAなどでつくる「沖縄尚学高等学校野球部を甲子園に送る会」が選手らの宿泊費や渡航費などに充てるため7月に発足。当初は目標額の30%しか集まらなかったが、決勝進出が決まった8月21日の夜から支援が急増。チームは同23日の決勝で日大三(西東京)を破って頂点に立った。

 今月末まで受け付けるCFサイト上の支援額は同25日13時の時点で2000万円に迫る勢いだ。

 学校応援コミュニティーサイト「Yellz(エールズ)」のサイト上では、公立、私立を問わず他の甲子園出場校も、CFによる支援を呼びかけ、数百万円単位での寄付を集めている。


新着記事

»もっと見る