米国とイスラエルは2月28日、イラン攻撃に踏み切った。この攻撃でイランの最高指導者ハメネイ師が死亡した。
(AP/アフロ)
反発したイランはイスラエルやペルシャ湾岸の米軍基地に弾道ミサイルで報復、戦火が拡大した。イランの実力組織である革命防衛隊は戦争の泥沼化を画策、同師の後継者として自分たちの思惑通りに動く「傀儡」指導者を据える公算が強まった。
教訓学んだハメネイ師
今回の戦争の最大の問題は戦闘がいつまで続くのかだ。11月の中間選挙への悪影響を心配する米国のトランプ大統領はイランの核、弾道ミサイル開発施設、革命防衛隊の軍事基地などを早めに集中攻撃し、一方的に勝利宣言して収拾したい考えだ。しかし、最高指導者まで殺害されたイラン側の怒りは激しく、トランプ氏の思惑通りに運ぶのは難しいだろう。
イラン側は逆に戦争を長引かせて泥沼化にもっていく戦略だ。ハメネイ師を殉教者に祭り上げて国民を結束させ、その上でペルシャ湾の出入り口であり、石油・天然ガス輸送の大動脈であるホルムズ海峡を事実上封鎖する作戦だ。これにより石油価格が高騰すれば、米国のガソリン代が上がり、トランプ氏の与党共和党は中間選挙で敗北することを狙っている。
しかし、約30人が殺害された昨年6月の「12日間戦争」までには至らなくても、革命防衛隊の司令官のパクプール将軍や最高指導者の軍事顧問シャムハニ前海軍司令官、ナリルザデ国防軍需相ら軍幹部7人が殺害されたのは大きな打撃だ。前回の教訓を学んでいないとも言える。
