ユーラシア・グループの中東専門家のマクサドが、1月27日Foreign Policy誌(web版)に掲載された論説で、中東地域においては今やイスラエルとアラブ首長国連邦(UAE)のアブラハム連合とサウジアラビア、トルコ、カタール等のイスラム連合の対立が地域の安定や米国の役割に最も重要な意味を持つものとなっている、と論じている。
中東ではイランはもはや戦略上の主要なアクターではない。今や、二つの新興勢力、アブラハム連合とイスラム連合の対立が新たな局面を迎えており、この対立こそが、この地域の将来と米国の役割を決定付けるより重要な意味を持つだろう。
アブラハム連合は、イスラエルとUAEを中心とし、モロッコ、ギリシャ、さらにはインドまでをも包含する。この陣営は修正主義的な傾向を持ち、軍事力、技術協力、経済統合を通じて地域の再構築を目指している。
その中核メンバーは、現在の中東秩序ではイスラムの過激化を止めることはできず、永続的な安定は、より世俗的な勢力を支援して地域の様々な紛争に介入することによって達成できると認識している。これらの国々は、トランプのアブラハム合意拡大への意欲に乗じて、パレスチナの自決やイスラエルによる二国家解決案受入れとは無関係に、アラブ・イスラエル間の正常化を優先している。
アブラハム連合に対抗するのはイスラム連合であり、サウジアラビアがトルコ、パキスタン、カタール、そしてより慎重なエジプトと共にバランスを取ろうとしている。これらの国々は、イスラエル・UAE枢軸を深刻な不安定化要因と見なし、分離主義勢力への支援が地域の紛争を悪化させており、イスラム過激派への反発は権力をふるうための口実だと主張する。
彼らは、たとえ不完全でも、既存の構造を維持し、それを通して機能することを好む。彼らは、イエメン、スーダン、およびその他の地域においても、主権の下に領土保全に苦闘している弱体な破綻国家を支援している。
この再編の中心にあるのは、今日の中東における最も重大な二国間対立であるサウジアラビアとUAE間の対立の激化である。かつては緊密なパートナーであった両国は、今や戦略的な競争相手となった。
サウジアラビアとUAEの競争は、適切に管理されなければ、代理戦争から直接対決へとエスカレートし、空域制限、国境封鎖、そしてサウジアラビア主導の石油輸出国機構(OPEC)プラスなどの機関からのUAEの脱退に発展し得る。これらの事態は、エネルギー市場を揺るがし、地域の物流を混乱させ、国境を越えたビジネスの遂行能力に重大な影響を与える。
