ウクライナ戦争が、ドローンが戦闘の中核的役割を果たすようになった初の例であるとするならば、今般のイラン戦争は、AIが中核的役割を果たした初の戦争と言って良いであろう(イスラエルでは2021年5月のイスラエル・ハマス戦争が「世界初のAI戦争」と見做されているようだが)。
(Nutjaree Yomjun/gettyimages・Vantor/ロイター/アフロ)
イラン戦争で最も衝撃的であった事例の一つは、イスラエルがハメネイ師ほかイラン指導部の行動をほぼ正確に把握し、主だった国家指導者が集まるという最も効果的なタイミングで攻撃を実行し暗殺を成功させたことだ。
このような攻撃は、高性能AIの活用なくしてはあり得なかっただろう。国際戦略研究所(IISS)による4月2日付けの報告‘The proliferation of AI-enabled military technology in the Middle East’によれば、イスラエルは23年10月以降、AIの利用を飛躍的に伸ばし、特に、AIによる意思決定支援システム(AI DSS)の開発を進めてきた。
具体的には、武装集団との関連が疑われる人物の標的選定のための「Lavender」、標的リスト作成のための「Gospel (Habsora )」、個人の位置を追跡する「Where’s Daddy?」等により、大量かつ高速のデータ処理を可能にし、その結果、意思決定サイクルを大幅に短縮することが可能になった。
