2026年4月15日(水)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2026年4月15日

 ワシントン・ポスト紙コラムニストのマックス・ブートが、3月16日付けの論説において、イランに対する今次軍事行動の最大の問題は「無能な政治家たち」にある、としている。要旨は次の通り。

(Makhbubakhon Ismatova/gettyimages・AP/アフロ )

 イランとの戦争において、米国の軍事力に関する最も明白な教訓は、米国の精密攻撃能力の強力さである。2月28日の作戦開始以来、米軍とイスラエル軍は航空機を1機も失うことなく、1万5000以上の標的を攻撃した。

 これらの攻撃は、卓越した米イスラエルの情報機関の協力によって可能となり、ハメネイ師をはじめとするイラン指導部の殺害につながった。

 しかし、このような一方的な紛争においても、空軍力だけで成し遂げられることには明らかな限界がある。米軍の空爆にもかかわらず、聖職者政権は権力を維持し、強硬派のモジタバ・ハメネイ師が父の後を継いで最高指導者となった。また、米国はイランが保有する約1000ポンド(約450キログラム)の高濃縮ウランの備蓄も確保できていない。

 米国防総省は2200人以上の海兵隊員を中東に派遣したが、犠牲者を出したくないという理由から、イラン本土への侵攻は考えにくい。イランの指導者たちは米国のこうした懸念を認識しており、空爆の尽きるのを待つことができると見込んでいるに違いない。

 米国のもう一つの弱点は武器弾薬の備蓄だ。米軍は最新鋭の誘導ミサイルを保有しているものの、その数は限られている。イランと戦っている間、ロシアや中国との紛争への備えは不十分なままとなる。

 アメリカが非対称戦争への対応に苦慮していることも、もう一つの大きな問題だ。イランは正面からの戦闘では勝利できないことを承知している。その代わりに、ホルムズ海峡を封鎖し、ペルシャ湾の民間インフラや米軍基地を標的にすることで、トランプ大統領にとっての戦争の経済的・政治的コストを高めようとしている。

 また、2万~5万ドルのシャヘド・ドローンを撃墜するために370万ドルのパトリオットミサイルを使用するというやり方は、持続不可能だ。過去1年間で、ウクライナはわずか1000ドルという低価格の迎撃ミサイルを開発したが、ワシントンは購入しようとしなかった。しかし、今や、米軍と湾岸諸国は購入を急いでいる。


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