2026年6月2日(火)

プーチンのロシア

2026年6月2日

 北京を舞台に5月、米国・中国、中国・ロシア間の首脳会談が相次ぎ開かれた。3つの大国の首脳による駆け引きは世界中の耳目を集めたが、そこから浮かび上がったのは米中に対するロシアのプーチン大統領の立場の苦しさだ。

(ZUMA Press/アフロ)

 中東情勢の混乱を背景に、世界最大規模の原油、天然ガス生産国として立場を強めたはずのロシアだが、中国向けの天然ガス輸出をめぐる交渉では習近平国家主席の手玉にとられ、米国のトランプ大統領も、ロシアに対する評価はリップサービスの域を出なかった。戦力で10倍の差があったはずのウクライナとの戦争から抜け出せず、ロシア軍の死者数は50万人に達したとも報じられる。

 「プーチン大統領はウクライナに侵攻したことを後悔するかもしれない」との習近平氏の発言まで伝えられるなど、ロシアが米中と釣り合っていない実態が鮮明になっている。

経済協力も具体性は見えず

 5月20日、延々とひかれた赤いじゅうたんの上を、中国の習近平氏とともに歩くプーチン氏の表情はにこやかだった。中国の閣僚らと握手を交わし、整列した子供たちの過剰にも見える歓迎の踊りに目を細め、儀仗兵らの行進も謁見した。直前に北京を訪問した米国のトランプ大統領に引けを取らぬ歓待ぶりでプーチン氏を出迎えた中国側の対応に、ロシア政府関係者らは安堵したに違いない。

 しかし、首脳会談の結果はロシア側の期待に沿ったものとは言い難いレベルの内容だった。

「双方はロシア・中国間のエネルギー分野における協力の成果を高く評価し、包括的なパートナーシップを今後も強化する方針で合意した」

「両国は、今後も石油、天然資源、原子力、グリーンエネルギー分野、国境を越えたエネルギー輸送インフラの安全維持などで関係の深化を図る」

 習近平、プーチン両氏の会談後に発表された長文の文章は、二国間関係の重要性を強調しつつも、ロシア側が特に重視したエネルギー分野の協力については、具体性の乏しい言葉が並んだ。


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