英国のヒーリー国防相が6月11日、今後10年間の防衛投資計画に含まれる国防費が必要水準を大きく下回っているとして抗議し、辞任した。ウォールストリート・ジャーナル紙が社説にて、これを「反乱」と称し、スターマー首相の危機意識のなさを厳しく批判している。社説の要旨は次の通り。
6月11日に報じられた衝撃的なニュース(国防相らの辞任)は、労働党政権の軍事予算不足について真実を語った英国国防当局者の反乱だった。
英国は昨年、北大西洋条約機構(NATO)の新基準を満たし、2035年までに国内総生産(GDP)の5%を国家安全保障に、うち3.5%を軍事費に充てることを公約した。当時、スターマー首相は「機敏さ」と「スピード」をもって行動する必要性を強調していた。
しかし、スターマー氏が6月8日、ヒーリー国防相に提示した国防計画では、国防費は来年のGDP比2.6%から30年までに2.68%にしか増加しない、と同国防相は首相への辞任状で述べている。
ヒーリー国防相は辞任状の中で、「スターマー氏は、高まる脅威の中で国を守るために必要な資源を投入することができず、財務省もそうしようとしなかった」と述べた。同氏は、この計画は「必要とされる水準をはるかに下回っており」、国の安全と英国軍の即応態勢を危うくするものだ、と述べた。そして有権者に対してこの計画を弁護するよりも、名誉ある辞任を選んだ。
カーンズ国防担当相も同日に辞任し、「我々は英国に奉仕する人々に対し、任務を遂行するための装備を提供し、任務完了後には彼らを支える義務がある。我々はその両方を果たせていない」と述べた。
労働党はそのための改革を拒否して福祉支出を優先し、国防費を計上しようとしない。英国では現在、就労年齢人口の約1割が疾病手当または障害手当を受給されており、25歳未満の英国人約100万人が就業、就学、職業訓練のいずれにも就いていない。
今回の辞任は、英国が直面する脅威を最もよく理解している当局者による、政府への衝撃的な拒絶表明である。ドイツ陸軍参謀総長は同日、「NATO加盟32カ国すべてが、ロシアが29年にNATO加盟国に侵攻する能力を持つ可能性があるという点で一致している」と警告した。
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