2026年7月13日(月)

インド市場の定説を疑う

2026年7月13日

 「インドでお酒は買えるの?」「ヒンドゥーの国だから、お酒を飲んではいけないのでは?」

 「インドに住んでいる」と言うと、このように聞かれることが多い。だが、このイメージは必ずしも実態を反映していない。

筆者の友人のインド人の自宅には簡易なバーカウンターがあった(筆者撮影)

 IWSR(国際ワイン・スピリッツリサーチ)によれば、世界で消費されるウイスキーの約半分はインドで飲まれている(参考)。また、クラフトビール市場の年平均成長率(CAGR)は約23%という驚異的な成長を見せており(参考)、インド産シングルモルトウイスキーが国際的な品評会で受賞を重ね始めた。

 アルコール飲料の消費量全体で見ても、2032年には米国を上回り中国に次ぐ世界第2位の市場になると予測されている(参考)。

 「飲まない国」どころか、世界で最もアルコール市場が伸びている国のひとつが、インドだ。

 では、なぜこれほどイメージと実際に大きなギャップが生まれているのか。それを理解するには、インドにおける飲酒を「手に入りやすさ(Availability)」と「慣習(Custom)」の2つに分けて考える必要がある。

インドでお酒は「手に入る」のか

 インドでアルコールを購入・消費できるかどうかは、州によって大きく異なる。アルコールの規制権限は各州政府にあり、「完全禁酒」から「比較的自由」まで、その差は極めて大きい。

バンガロールにあるレストラン。お酒を提供しており、多くの方がお酒を楽しんでいる(筆者撮影)

 グジャラート州は独立以来の完全禁酒州で、ガンジーの出身地として禁酒が政治的にも象徴的な意味を持つ。ビハール州は16年から全面禁止で、ミゾラム・ナガランド両州も同様だ。これらの禁酒州に住む人口は合計で数億人規模に及ぶ。


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