2026年5月、消費者安全調査委員会が「消費者事故等調査報告書:パーソナルトレーニングにおける事故」 を公表した。これは、近年、パーソナルトレーニングでのけがや体調不良に関する相談が寄せられていたことを受け、事故の原因や再発防止策を検討するために行われた調査である。
報告書によると、事故情報データバンクに登録されたパーソナルトレーニングに関する事故は、2019年から25年までの間に196件確認されており、そのうち81件は治療に1カ月以上を要する事故であったとのことだ 。けがの部位としては、腰・股関節、膝・足などの下半身が多く、背骨や腰椎を骨折した事案も含まれていた。
パーソナルトレーニングは、本来、利用者一人ひとりの体力や目的に合わせて運動を支援するサービスである。にもかかわらず、腰椎や肋骨の骨折、神経や筋の損傷、過度な食事制限による体調不良など、軽くない事故が報告されている。
近年、健康や栄養・運動などを含み、自身の身体に関する情報はかつてないほど身近になっている。SNSや動画サイトでは、「最短で痩せる方法」「効率よく筋肉をつける食事法」「これだけやれば体が変わる」といった情報が大量に流れてくる。関連するキーワードで検索して上位に表示された情報をなんとなく受け入れて、ダイエットや筋トレなどを実践していることも、実は多いのではないだろうか。
もちろん、有益な情報もあるが、問題は、情報そのものの正しさだけではない。たとえ一般論として正しい情報であっても、誰に、いつ、どの負荷で、どの順番で使うかを誤れば、個人にとっては危険になり得るということである。
本稿では、パーソナルトレーニングにおける事故を手掛かりに、健康・運動情報を自分の身体にどう適用するかについて考えてみたい。

