2026年8月11日(火)

教養としての中東情勢

2026年8月11日

 イラン戦争は開戦以来6カ月目に突入した。米国のトランプ大統領はイスラエルと進めていた「イラン総攻撃計画」を直前になって中止、イラン側はTACO(トランプはいつもビビッて逃げる)と嘲笑した。

(AP/アフロ)

 イランはさらにペルシャ湾の要衝ホルムズ海峡の開放条件を提示するなど強硬姿勢を鮮明に。このため一時は楽観的だった開放の行方は全く不透明になった。

第2次世界大戦以来の最大攻撃

 イラン側が事実上封鎖していたペルシャ湾の要衝ホルムズ海峡は6月17日の米国との覚書合意で開放される予定だった。しかし、覚書の文言があいまいな上、イラン側が海峡通過を許可していない船舶に対する攻撃を続け、これに米軍が7月11日以来13日連続でイランを報復攻撃するなど緊張が高まった。

 トランプ大統領は「嘘つきに激しい打撃を与える」などとしてイスラエルと共同でイランのエネルギー・インフラ施設への大規模攻撃の計画を進め、「第2次世界大戦以来、最大規模の攻撃」の準備に入った。イラン側は大統領が4月に繰り返した言動をまね「やるなら来い。中東地域全体を石器時代に戻してやる」(イラン高官)などと挑発した。

 米メディアが攻撃切迫と報じる中、大統領は8月1日、突然自身のSNSへ「攻撃中止」と投稿。理由としてイランやサウジアラビアなどから中止を要請されたと主張した。この中止の決定がいかに場当たり的だったかは、イスラエル側が「大統領のSNSで中止を知った」(米紙)ことからも一目瞭然だ。

 大統領が中止に踏み切ったのは親しい間柄のサウジのムハンマド皇太子から説得されたのに加え、米側のミサイルが枯渇しているという深刻な事情もあった。ロイター通信などによると、イラン戦争で精密攻撃が可能なエイタクムスなど2種類の地対地ミサイルの大半を使い切り、高高度防衛ミサイル(THAAD)や防空システムのパトリオットも大幅に消費した。


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