2026年9月16日(水)

チャイナ・ウォッチャーの視点

2026年9月16日

「日本と米国はまったく逆の方向からフィジカルAI(人工知能)にチャレンジしている」

 台湾出身のベンチャー投資家、鄭博仁(マット・チェン)は指摘する。

 マットは連続起業家として活動した後、2015年にベンチャーキャピタル「心元資本(チェルビック・ベンチャーズ)」を創業した。先日、クローズ(出資者募集の終了)した第6期ファンドを含め、運用資産総額(AUM)は5億ドルを超えている。

台湾出身のベンチャー投資家、鄭博仁(マット・チェン)氏(筆者提供、以下同)

 物流テックの米Flexport、後払いサービスの日本Paidy(米PayPalが買収)など、これまでに15社ものユニコーン企業を見いだしてきた。世界のベンチャー投資業界でも名の知られた投資家だ。

 現在は東京をベースとし、日本のスタートアップ企業への関心を高めるマットにどうしても聞いてみたかった話がある。それがフィジカルAIだ。

 米半導体大手エヌビディアのジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)は、物理世界を理解し関与するフィジカルAIがAIの次のステージであり、日本には主導的な役割を果たす機会があると強調している。「時の人」の言葉を励みとして、日本では急激にフィジカルAIへの期待が高まっている。

 だが、気になるのが日本と米国との距離感だ。日本語で語られているフィジカルAIと英語で語られているPhysical AIは同じものなのだろうか。違うとすればなぜなのか、日本は本当にフィジカルAIの「主役」なのか。世界のテックを熟知し、日本にも接点を持つマットに聞いた。


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