米国のトランプ大統領は、中国の習近平国家主席との米中首脳会談で第二次世界大戦において「米中は共に戦った」と語った。ホワイトハウスが公表したファクトシートにも「両首脳は、米国と中国が第二次世界大戦の同盟国であり、肩を並べて戦い、戦争に勝利したことを振り返った」と記された。中国政府も「両国首脳は、中国と米国が第二次世界大戦の盟友であり、肩を並べて戦い、勝利したことを振り返った」とする一文を、会談の八つの成果の一つとして発表している。
これに対し、「第二次世界大戦時に米国の同盟国だったのは中華民国」という指摘が各方面から相次ぎ、米中両国の歴史認識を問う声が上がった。当事者である中華民国、すなわち台湾でも米中首脳の「同盟国」発言は波紋を呼んだ一方、本質的に「中国とは誰を指すのか」という問題はほとんど議論されていない。そして、同盟国発言の是非よりも考えるべきはその背後にある日本と台湾の孤立を求める中国の意図だ。
「戦ったのは中華民国だ」
台湾の反響の大半は「日本と戦ったのは中華民国であり、中華人民共和国ではない」というものだった。
台湾の俞大㵢・駐米代表は米CBSテレビのインタビューで、「第二次世界大戦で米国と共に戦ったのは中華民国であり、習近平ではない」と述べた上で、トランプ氏が第二次世界大戦期の「フライング・タイガース」部隊に言及し、習氏がそれに応じたことについても、俞代表は当時の写真を示しながら「フライング・タイガースの機体には我々の国章が描かれている」と指摘した。
さらに「中国共産党の政府は1949年まで存在しておらず、第二次世界大戦では日本に対して小規模なゲリラ戦を展開したにすぎない。49年以降も、共産党の軍は朝鮮戦争で米国と戦い、米兵を死なせている。人々は歴史を客観的に見るべきだ」と語った。
フライング・タイガースは、第二次世界大戦期に米国人義勇兵によって編成された航空部隊で、劣勢だった中華民国空軍を補う形で日本軍と戦った。部隊は中華民国軍の指揮下に置かれ、機体には中華民国の国章が描かれていたが、機体や装備は米国の支援によって調達されていた。事実上の米国による対華支援の一環だった。
