2026年7月18日(土)

台湾「麗しの島」の実像

2026年7月17日

 個人的な体験から話を始めたい。6月上旬に北海道の道央を旅した。登別のうに丼、白老の毛蟹、羊蹄山の十割そば。かなり「知る人ぞ知る」的な店を厳選して訪ねたのだが、どの店でも台湾人観光客と遭遇してびっくりさせられた。お店の人たちは彼らの出身が中国か台湾か香港か区別がつかないから、そこまでは実感はないかもしれないが、私は、仕事柄、台湾人の話す中国語が、中国人などほかの地域の人々の中国語と区別できる。台湾人は日本でまさに「無所不在(至る所にいる)」だ。

(CFOTO/GETTYIMAGES)

 中国人の訪日観光客は東京・名古屋・大阪の「ゴールデンルート」が中心になっている。一方、日本慣れからそれを回避する傾向がある台湾人の旅行動向は確実に日本の地方を潤し、地方自治体のトップの期待が台湾に向かうのは当然だ。東京や大阪にいては実感しづらい台湾人観光客の威力は地方で初めて実感できる。

 そんな状況を映し出す一枚の地図がある。

 台湾のLCCであるタイガーエアの対日航路を示したものだ。台湾の桃園、台中、台南、高雄から無数の線が日本の地方都市に蜘蛛の巣のように伸びている。まるでANAかJALの国内線のマップを見ているような錯覚に陥ってしまう。同社HPによれば現在日本とは22地点34路線にフライトがあり、9月からは高雄〜石垣島、高雄〜小松も加わる。特徴は北海道、東北、北陸、九州など日本の地方都市への空の足の多さだ。中華航空とエバー航空という台湾の二大キャリアより身軽なLCCの利点を生かしてタイガーエアは対日航空会社として活躍している。

 背後にあるのは台湾人の強い訪日意欲だ。2025年、訪日客は過去最高の673万人に達した。今年は700万人を突破するだろう。台湾は2300万人の人口なので、3人に1人弱が年に一度は訪日している計算になる。中国人観光客との最大の違いは、政治的思惑によって数字が左右されないため、安定したインバウンドの固定的マーケットとして長期的な計算が立つ点である。


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