2026年7月8日(水)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2026年7月8日

 ペルー大統領選の決選投票において、ケイコ・フジモリの接戦を制して当選が着実になりつつある。「フジモリ新政権」が誕生した場合に同政権が直面する課題について考えてみたい。

ペルーのケイコ・フジモリ次期大統領(AP/アフロ )

 その前に、決選投票の開票状況だが、投票前の世論調査で4%程度の差で、ケイコ有利と見られていたが、開票後2日目からは相手候補のサンチェスがリードし、6月8日の開票率95%の段階で41,000票(0.23%)の差をつけた。しかしその後、在外有権者の票が集計されるにつれ、ケイコが逆転し、次第に差を広げ6月21日朝の99.7%集計の段階では、ケイコが50.11%、サンチェスが49.89%で、0.22%(約40,000票)程度の差をつけ、6月29日の開票終了時にはケイコが50.135%(922万3396票)、サンチェスが49.865%(917万3755票)で、ケイコが当選確実となった。

 異議申し立てが提起されている票の再審査の結果次第ではあるが、7月半ばに発表が予定される最終結果において、この差が覆ることはないだろうとみられている。

 この決選投票は、市場主義による経済政策の維持と犯罪対策の厳格化により治安改善を図るケイコと、富裕層への増税や鉱物分野を含む経済への国家介入を強化し必要な憲法改正を目指すサンチェスの国家観を巡る対立となった。さらに、都市部や沿岸部の有権者が主として前者を、山間部農村地域の貧困層が主として後者を支持する地域的な対立とも結びついて国内の分断を際立たせる結果となった。

 ペルーには、ケイコのフエルサ・ポプラルを別として、地域の利益を代表する形での全国的な政党が発達しておらず、大統領選挙と同時に行われる議会選挙の結果は、常に小党分立の状況となる。大勢の候補者が乱立する大統領選挙は言わば国民の人気投票であり、ケイコはこれまでに3回続けて決選投票で落選した。


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