2026年8月16日(日)

オトナの教養 週末の一冊

2026年8月16日

 台湾に行きたいなら、もう台北だけじゃない。「最も台湾らしい場所」が密かに注目を集めている。

(『旅する台湾・屏東』より、以下同)

 台湾を旅した人の多くは、台北・台南・高雄を訪れて満足して帰る。しかし今、台湾の文化人や若者の間で「屏東(へいとう)」への注目が高まっている。台湾最南端に位置するこの地は、先住民・パイワン族、閩南系漢民族、客家系が混在する、まさに台湾の縮図ともいえる場所だ。

 日本人にとっても、屏東は見逃せない土地である。日台関係の「原点」ともいえる歴史的な出来事の舞台であり、台湾のどこよりも日本との結びつきが深く、今もそこかしこに日本の痕跡が息づいている。台北への旅行者が急増する一方、まだ多くの日本人には知られていない「もう一つの台湾」が、屏東には存在する。

 そんな屏東のすべてを、日本で初めて専門的に取り上げた一冊が『旅する台湾・屏東』(一青妙・山脇りこ・大洞敦史 著、ウェッジ)だ。「国境の南」と呼ばれるこの地の人・食・文化・歴史が、余すところなく凝縮された一冊である。


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