2026年9月24日(木)

脱「ゼロリスク信仰」へのススメ

2026年9月24日

 2026年7月28日に発生した熊本地震により、水俣病の原因となったメチル水銀を含む汚泥を封じ込めている水俣湾埋め立て地「エコパーク水俣」公園で液状化が発生した。熊本県は水銀の流出は確認されず、汚泥の封じ込め機能も問題はないとしているが、地元ではさらに詳細な情報の開示を求める声が上がっている。

液状化した水俣湾埋め立て地には、「水俣メモリアル」もある(縄手英樹/アフロ)

液状化と水銀流出の状況

 水銀汚泥の原因となったのは、水俣病の原因企業であるチッソ(当時は新日本窒素肥料)の水俣工場から水俣湾に排出された水銀である。1977年に着工した汚泥のしゅんせつ・埋め立て事業は90年3月に完了し、約485億円の費用を要したとされる。

 しゅんせつされた汚泥は周囲への拡散を防ぐため、鋼矢板セルで囲まれた護岸内に埋め立てられた。埋め立て地は覆土され、「エコパーク水俣」という名称の公園として整備された。

 74年に熊本県が定めた水俣湾の底質除去基準は、総水銀濃度25ppm(乾泥1kg当たり25mg)以上の区域を除去対象とするものであった。これは、当時の魚介類中の水銀濃度や水銀の生物濃縮などを考慮して定められた暫定除去基準である。しゅんせつされた汚泥自体は、総水銀25ppmから最大600ppm程度の範囲にあったとされる。

 7月28日に熊本地震が発生し、水俣市では震度5強を観測した。この地震により、エコパーク水俣では竹林園、東側の駐車場付近、ソフトボール場の3カ所で液状化による土砂の噴出が確認され、回収された。

 県は噴出した土砂を検査し、8月18日に「水銀は検出されなかった」と発表し、9月15日には埋め立て地の「水銀を封じ込める機能に問題ない」と説明した。今回、液状化によって流出したのは、水銀を含む汚泥ではなく、その表面を覆っている土砂であったと考えられる。


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