マイクロソフトの共同創業者ビル・ゲイツ氏は、有数の富豪として知られる一方、社会問題にも深い関心を抱き、ネットでゲイツノートを公開しゲイツ財団の取り組みなどについて発信している。
最近では、地球温暖化は文明の最後ではないと発言し、温暖化よりももっと重要な問題は貧困と疾病対策と指摘した。温暖化問題に携わる人たちに資金の使途を考えるように警鐘を鳴らした。
メディアも影響力のあるゲイツの発言を大きく取り上げるので、トランプ大統領が「ビル・ゲイツが温暖化は誤りだと認めた」と発言し、ゲイツが、「温暖化は依然重要な問題であり、トランプ大統領は発言を誤解している」と反論し、話題になった(「気候変動が人類滅亡につながらない」ビル・ゲイツが主張を変えた背景…日本は環境ビジネスに力を入れるべきなのか? Wedge ONLINE)。
8月26日に公表されたゲイツノートは、生成AIの活用が世界を大きく変えると認めつつ、雇用を含む3つのリスクがあるとして生成AIの利用、管理に関する国際的な新しい取り組み、枠組みの必要性を訴えた。マイクロソフトがAI開発に熱心に取り組んでいることもあり、退任したとは言えゲイツの発言は、日本を含め世界のメディアが注目することになった。
多くのメディアが注目したのは、リスクの中でもAIが取って代わる仕事であり、失われる職種は何かだった。生成AIがやがて記者の仕事を奪うとも言われているので、メディアも気になるのだろう。
なくなる仕事がある一方、利用が広がるAIが増やす仕事もある。例えば、AIの利用に必要なデータセンターに係わる仕事、データセンターに電力を供給する仕事だ。
将来はフィジカルAIの発達により、工事現場も工場の操業もAIに変わるかもしれないが、当面は人間が担う必要がある仕事だ。
米国労働省労働統計局が8月下旬に発表した、35年までの10年間で増える産業別雇用の筆頭は公益事業、中でも電力産業だった。
