2026年8月30日(日)

下水道からの警告

2026年8月30日

 下水道財政は複雑で、一般的に広く知られていない。その仕組みを解きほぐしながら、自治体ごとの「最適解」を考える。電子書籍「下水道からの警告 地下空間の声を聞け」の内容を一部、限定公開いたします。
(y-studio/gettyimages)

Q・そもそも論ですが、私たちが支払っている下水道使用料などはどのような仕組みなのでしょうか。

浦上 なぜ水道は「料金」で、下水道は「使用料」と呼ぶのか。その解説から始めましょう。

 まず、水道事業は、100%の受益者負担、すなわち、各家庭など利用者が支払う料金によって運営される「独立採算制」です。水道という一種のサービスを受ける対価であり、そのため「水道料金」と呼びます。下水道事業も「独立採算制」が基本です。では、なぜ下水道は使用料なのでしょうか。例えば、体育館や公民館などの自治体施設を利用する場合、「施設使用料」を支払います。下水道の場合も同様に、下水道という「公共施設」を使用しているため「下水道使用料」と呼ぶのです。

 下水道処理費は二つに分かれます。一つは「雨水にかかる経費」です。雨水を排除することで、まち全体に受益の範囲が及ぶことから、100%が自治体の一般会計、すなわち「公費」によって賄われています。

 もう一つは「汚水処理にかかる経費」です。例えば、トイレ使用者は汚水処理の受益者であることから、「下水道使用料」を負担します。ただ、水道と異なり、汚水処理は河川などの公共水域の保全にも寄与するため、自治体の一般会計からの繰入金として、国が定めた「繰出基準」に基づいて、「基準内繰入」として一部負担することになっています。


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