2026年9月26日(土)

韓国軍機関紙『国防日報』で追う

2026年9月26日

 北朝鮮が38度線沿いに多連装ロケット砲を集中する要塞化を進めている中で、韓国はクロアチアに多連装ロケット「天橆」を輸出することになった。同ミサイルの欧州輸出では4カ国目。他方で、ソウルで第1回韓国・中央アジア首脳会談を開催し、レアメタル入手の道筋を探った。

クロアチアへ多連装ロケットを輸出

 安圭伯国防相は9月10日、クロアチアの首都ザグレブで、同国が韓国製の多連装ロケット「天橆(チョンム、K239)」を導入する契約の署名式に出席した。契約はハンファエアロスペースとクロアチア国防省の間で結ばれ、発射機18基と弾薬などで約4億1000万ユーロ(約730億円)。両国初の大型防衛装備取引である。同日、両国国防相は国防協力に関する了解覚書にも署名し、国防政策の実務協議を定例化することで合意した。

 伏線は昨年に遡る。クロアチアのアヌシッチ副首相兼国防相は2025年9月、ソウル安保対話に出席するため訪韓し、安長官と包括的な国防協力覚書の締結を協議した。韓国紙によると、クロアチア政府は同年中に天橆の導入を打診し、政府間協議と企業交渉が続いていた。

 クロアチアは24年12月、米国製の高機動ロケット砲システム「HIMARS」8両の購入計画を承認済みだ。天橆を選んだ理由に、同国国防省は24〜36カ月という短い納期、価格、北大西洋条約機構(NATO)規格との互換性、産業協力の可能性を挙げた。射程30〜300キロの各種誘導弾を使い分けられる点も評価された。

 クロアチアのプレンコビッチ首相は、天橆がHIMARSを補完し、調達経路を多様化すると説明している。韓国紙によれば、背景には米国製兵器の納入遅延への懸念がある。

 天橆の欧州輸出はポーランドに始まり、今年1月にノルウェー、5月にエストニアと続き、クロアチアで4カ国目となる。ハンファは30年までに供給を終え、現地企業と整備基盤を築く計画で、運用国による「天橆ユーザークラブ」も来年発足する予定だ。安長官は訪問中、地対空ミサイル「天弓」の売り込みも行った。

 もっとも、クロアチアの天橆は韓国製一色ではない。指揮統制を担う戦場管理システムにはポーランドのWBグループ製が組み込まれ、同国政府が示した事業総額4億3520万ユーロ(約780億円)には、その統合契約も含まれている。


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