ウォールストリート・ジャーナル紙は、イランの政権幹部は核兵器保有に向かわないと述べ続けているが、そうした政策方針が変更される可能性があるとの警告が提起されている、と指摘する解説記事を9月25日付けで掲載している。概要は次の通り。
イランのペゼシュキアン大統領は、国連において世界の指導者に対して、イランは核計画を棚上げしないが核兵器の製造もしない、という決まり文句を繰り返した。一方、イラン本国では核兵器を持つべきとの議論が盛んになされるようになっている。
イランの核計画の関連施設の多くは昨年の米国とイスラエルによる攻撃によって深刻な打撃を受けたままとなっている。昨年の攻撃の前には、専門家は、イランは数カ月あれば核兵器を製造できるだろうと見ていた。
米国との紛争が継続する中、イランの政府関係者や国会議員は核不拡散条約(NPT)から脱退すべきか、核兵器製造のリスクを冒すべきかをおおっぴらに議論するようになっている。最近、一人の国会議員がイランのNPT脱退を求める法案を提出した。
8月、国家安全保障最高評議会のモフセン・レザイ事務局長は、NPTに加盟していることによって「攻撃を受けることを避けることができないのであれば、核兵器を追求していけないわけがあろうか」と述べた。イランの政府関係者は、イランの核ドクトリンに変更はないが、変更される可能性はあるとも述べた。
ワシントンDCに本部を置く中東関係のシンクタンクの専門家は「核計画を放棄することに国民レベルの支持がないことは以前と変わりはないが、NPT脱退、核の抑制の放棄、抑止のための核の兵器化といった、以前は異端とされていた考えが、より広く論じられているのが新たな傾向である」と指摘する。
イランの公式の立場は、2月に殺害されたハメネイ師が20年前に発出したファトワによって引き続き規定されており、それは、大量破壊兵器の製造を禁じるものであるが、いわゆる核の敷居政策(nuclear threshold policy)を取ることの意味が問われている。この政策への批判者は、この政策により、イランの敵を抑止するどころか、米国とイスラエルに攻撃の理由を与え、その結果、核保有への道が閉じられようとしている、と批判する。
イランにおいて決着していないのは、どのような新たな政策を取るべきかとの点である。中期的に核兵器製造に向けて努力を結集していくのか、大規模な制裁解除を得るために核計画を抑えるかである。従来の政策への批判が強まる中、そうした議論が活発となってきている。
現在のところ、核兵器製造を主張する声が強くなっている。NPTについては、義務を課するだけで、保護を提供しないことが強く批判されている。
