2026年10月16日(金)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2026年10月16日

 フィナンシャル・タイムズ紙が9月22日付で、「トランプ大統領がフーシ派を空爆するよう求めるサウジアラビアの要請に躊躇していることが米・サウジアラビア関係に緊張をもたらしている」とする解説記事を掲載している。要旨は次の通り。

(ロイター/アフロ)

 事情に詳しい人物によると、最近の協議でサウジアラビアは、イランが支援するフーシ派に対する共同軍事行動として空爆を米国に求めたが、米国は参加しないと回答した。

 イラン戦争中、サウジアラビアはイランの報復攻撃によってインフラに対する攻撃を何度も受けたほか、湾岸への出入りを担う戦略的水路であるホルムズ海峡の閉鎖による経済的打撃も被ってきた。過去2週間、フーシ派は攻撃を激化させ、サウジアラビア南部の石油施設を標的にしたほか、イエメンの紅海沿岸で電撃的な攻勢を開始した。

 サウジアラビアが支援するイエメン政府側の勢力を押し戻し、国際海運にとって極めて重要な水路であるバブ・エル・マンデブ海峡に対する支配を強化した。さらに、最近、フーシ派は、紛争再開後初めてサウジアラビアの首都リヤドに向けて弾道ミサイルを発射した。

 他の湾岸諸国の指導者と同様、トランプ氏にイランとの戦争に踏み切らないよう警告していたムハンマド皇太子は、今や、自国を地域の金融・貿易・観光の拠点に発展させるという野心的な計画を損ないかねない危機を封じ込めようと奮闘している。

 フーシ派による紅海での商船攻撃に対応してトランプ政権とバイデン政権は、同派に対する軍事作戦を実施したが、現在のトランプ政権は、中東の混乱がもたらす政治的影響に加えて軍事資源の逼迫と弾薬備蓄の減少への対処に追われている。米国は、サウジアラビアの対フーシ派作戦を支援するための直接的な軍事介入は行っていないものの、引き続き武器や情報は提供しており、両国関係への悪影響を抑えている。

 サウジアラビアは米国製の防空システムも保有している。トランプ政権はサウジアラビアへの243億ドル規模のF35戦闘機売却案を承認した。ただし、引き渡しには何年もかかる。


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