2026年10月9日(金)

World Energy Watch

2026年10月9日

 サウジアラビアが原油輸出ルートの確保へ苦慮している。2026年7月以降、フーシ派による船舶やエネルギー施設への攻撃が再開し、9月には東西パイプラインも一時停止。オマーン沖での船舶間積み替え(STS)を活用して輸出を維持したものの、ホルムズ海峡や紅海を巡る輸送リスクは依然として残っている。

(Dmitri Toms/Torsten Asmus/gettyimages)

 こうした中、新たな原油輸出ルートの構築を検討している。実現には建設コストや関係国との調整といった課題があるが、多様化できれば、地政学リスクの分散につながり、日本を含むアジアへの原油供給の安定性を高める点が注目される。

情勢悪化によるサウジ原油輸出への影響

 イエメン情勢の緊迫化により、サウジの原油輸出を巡る懸念が強まっている。22年の停戦以降、サウジとフーシ派の直接衝突は比較的抑えられてきたが、26年7月にフーシ派がサウジへの海上封鎖を宣言して以降、紅海を航行する船舶やサウジ国内のエネルギー施設への攻撃を再び活発化させた。

 9月8日には、フーシ派が国営石油会社「サウジアラムコ(以下、アラムコ)」の関連施設をミサイルやドローンで攻撃し、複数のエネルギー施設で火災が発生、一部の操業が停止した。

 こうした中、イラン戦争下で重要性を増していた東西パイプラインも攻撃対象となった。同パイプラインの輸送能力は日量500万~700万バレル(b/d)で、東部の油田地帯アブカイクから紅海沿岸のヤンブーまでを結び、ホルムズ海峡を迂回して原油を輸送できる数少ないルートである。26年3月以降、ホルムズ海峡の通航が困難となったことを受け、サウジが原油を紅海側へ輸送する主要ルートとなっていた。

 しかし、4月8日、東西パイプラインがイランによる攻撃を受けたと報じられた。9月10日には、陸上にある複数のポンプステーションがドローン攻撃を受け、パイプラインの輸送が停止した。

 9月の攻撃については、フーシ派ではなく、イラク国内の親イラン武装勢力など別の主体が関与した可能性も指摘されている。サウジとイラクは、攻撃に使われたドローンがイラク国内から発射されたとの見方を示しており、イラク治安部隊はその後、南部マイサーン県のイラン国境沿いに位置するティーブ付近で、ドローンの発射台を発見した。


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