2026年9月7日(月)

World Energy Watch

2026年9月7日

 22歳から25歳の雇用者数は約2割減少しており、AIが新卒者の役割を代替しているのではと推測される。

 ゲイツはゲイツノートの中で、「もっともリスクにさらされるのは、簡単な仕事であり、新たに創出されるほとんどの仕事はスキルを必要とする」と指摘しているが、すでに起きていることはこの指摘を裏付けている。 

これからリスクに晒される仕事

 生成AIを手掛けるアンソロピックとオープンAIの経営者は、失業率が20%に達する、あるいはAIが業務の40%を担うことになるとして、大きな失業が発生すると予測した。

 その後、悲観的な予測は撤回され、AIは雇用を奪うものでなく生産性を向上させるものと今は見解を変えている。

 新卒者を除き、それほど大きな影響はないだろうとの安堵した見方が広がっている。AIが失くす仕事もあるが、新たに作られる仕事もあるし、変化には時間がかかるというのがその背景だ。具体例がある。

 50年の国勢調査であげられた270の職種のうち消滅した仕事は、エレベータガール・ボーイだけだった。73年に銀行にATMが導入された時、銀行窓口職員の失業が予想されたが、仕事内容の変更により失業は発生しなかった。

 しかし、ビル・ゲイツは、変化のスピードは実装に時間が必要だった新技術導入あるいはインターネットとは比較できないくらい早く、多くの仕事が早期にリスクに晒されると述べている。AIは過小評価されており、人間の認知能力を代替できる可能性がある以上、今までとは違うと指摘する。雇用を守るためにもAI利用に関する政策、システムが必要なのだ。

 米労働省は、これからの10年間で雇用が伸びない産業を予測している(図-1)。35年までの全雇用の成長率は3.5%なので相対的に雇用の伸びに追いつかない産業だ。

 職種別の雇用者数の減少も予測されているが(図-2)、産業の衰退に伴う雇用の減少とAIの導入による雇用減が混在しているようだ。

 減少する多くの仕事の年収は残念ながら高くない。多くの仕事は、25年の全職種の年収の中央値5万980ドル(約810万円)を下回っている(図-3)。

 スキルがない人が次の仕事を見つけるのも難しいだろう。ゲイツが言う脆弱な人たちの雇用をどう守るかもAIの利用が拡大する際の課題だ。


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