ワシントン・ポストのデビッド・イグネイシャスが、26年7月6日付で、ロシアはウクライナ戦争で苦境にあるが、局面打開のため北大西洋条約機構(NATO)加盟国に限定的な攻撃や軍事侵攻を仕掛ける可能性があり、欧州はその脅威に身構えていると書いている。
苦境に立たされたロシアが、バルト三国やポーランド等NATO加盟国に対する限定的な攻撃や軍事侵攻を検討しているとみられる中、ウクライナ戦争は危険な新たな局面に入りつつある。
「事態がエスカレートするリスクは現実のものであり、かつ増大している。その主な理由は、プーチンが国内で高まる圧力に晒され、戦場でも劣勢に立たされているからだ」と元米中央情報局(CIA)長官のウィリアム・バーンズは7月6日に述べた。米国はこの高まる危険について、この1カ月、欧州の同盟国と情報を共有し警告して来た。
我々は今、戦争が如何にしてグローバルな破局へと拡大し得るか、その実例を目の当たりにしている。ロシアはウクライナ東部で泥沼の消耗戦に陥り、ウクライナのドローン攻撃で月間3万人を超える死傷者を出しているが、プーチンが真の敵だと主張するNATOに対して突破口を開こうと試みる危険がある。それも、NATOの歴史上、米国の関与がかつてないほど希薄になっている時にである。
新たな懸念は、戦争がロシアとウクライナの国境を越えて拡大する可能性である。例えば、ポーランドの情報機関筋は、NATOの対応を試すために「ロシアがポーランドに対して武力による挑発行為を行うかもしれない」と警告した。あり得る攻撃には、ポーランドの送電施設に対する攻撃あるいはポーランド・ロシア国境付近での「ハイブリッド」の隠密攻撃が含まれる。
バルト三国は、ロシアの攻撃に対し如何に対応すべきかを検討して来た。例えばエストニアは、自国内でロシア軍参謀本部情報総局(GRU)の工作部隊を検知した場合、反撃に出る構えだという。バルト三国にとって最善の抑止は、ロシアの動きを察知し迅速に対応するための空中および地上の監視体制だという。
