2026年8月9日(日)

食の「危険」情報の真実

2026年8月9日

 厚生労働省が、生食用の鶏肉を加工する際の衛生基準などを定めたガイドラインの策定を進めている。背景にあるのは、生や加熱不足の鶏肉を原因とするカンピロバクター食中毒がなかなか減らない現状だ。

(Lcc54613 /gettyimages)

 厚労省は「生食を推奨するものではない」としているが、国がガイドラインを策定することで、逆に「鶏肉は生で食べてもいい」という誤解を生むことにならないだろうか。

グルメブームで広まった「鶏刺し」

 「鶏刺し」や「鶏のたたき」など鶏肉の生食メニューは、かつて宮崎や鹿児島など一部地域に限られた食文化だった。それが2000年前後のグルメブームを経て全国に広がり、今では各地の居酒屋などでごく普通にみかける料理となっている。

 だが、独自に生食用の衛生基準を設けている宮崎・鹿児島両県を除き、流通している鶏肉は本来すべて、「加熱用」だ。両県の生食用鶏肉は地産地消が中心で、県外出荷を想定しておらず、それ以外の地域で処理される鶏肉は加熱加工を前提としているからだ。


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