猛烈な雨による都市の浸水が続いている。8月13日の千葉県、22日の東京都内などでは、短時間に記録的な大雨が降り、道路や住宅地が冠水した。マンホールから水が噴き上がり、アンダーパスなどで車が立ち往生するケースもあった。
こうした光景を見ると、ある疑問が浮かぶ。
「下水道をもっと太くし、より多くの雨を流せるようにすればいいのではないか」
実際こうした要望が行政窓口に寄せられていると聞く。もちろん、気候変動によって極端な大雨の頻度や強度が増すことを踏まえ、下水道や雨水幹線、ポンプ、地下貯留施設などの能力を高めることは重要であり、実際に各地で整備が進められている。しかし、1時間100ミリ、120ミリなどの猛烈な雨をすべて排水施設だけで処理しようとすれば、費用や工期、地下空間、排水先となる河川の能力など、さまざまな制約にぶつかる。
排水機能をどこまで強くするかと同時に、受け止めきれない雨を、街や流域のどこで受け止めるかを考える必要がある。
100ミリ降るなら「100ミリ対応」にすればいい?
そもそも下水道は、あらゆる豪雨を処理できるように造られているわけではない。地域ごとに一定規模の降雨を計画対象として、雨水管やポンプなどが整備されてきた。
千葉市では従来、1時間53.4ミリの降雨を対象として雨水施設を整備してきたが、大雨による浸水被害への対応を強化するため、2017年に「雨水対策重点地区整備基本方針」を策定。浸水リスクが高く、都市機能が集積する重点地区について、10年確率の1時間あたりピーク雨量65.1ミリへ整備水準を引き上げ、雨水管や貯留施設などの整備を進めてきた。
それでも8月13日には、千葉市中央区で1時間115ミリを観測した。整備水準を引き上げても、それを大幅に上回る雨が現実に降っている。ここに、これからの都市治水の難しさがあることをまずは共有したい。
もちろん、従来の整備水準のままでよいということではない。国も気候変動による将来の降雨量増加を下水道計画に反映する方向を示している。浸水リスクが高い場所や、重要な都市機能が集まる地域では、施設の能力を高めていく必要がある。
