2026年8月31日(月)

Wedge REPORT

2026年8月31日

「流す都市」から「雨を受け止め、活かす都市」へ

 これまで都市は、降った雨を集め、下水道や河川を通じてできるだけ速やかに流すことで水害を防いできた。その仕組みを気候変動に対応すべく強化することは、今後も必要だ。

 しかし、極端な大雨の頻度が増す中、「すべて流す」ことだけを目標にはできない。流す、貯める、染み込ませる、時間をかける。そして、それでもあふれる水から人命と重要な都市機能を守る。

 森林や農地、谷津から、住宅、企業、公園、道路、下水道、河川まで、一つの巨大な施設ですべての雨を処理するのではなく、街と流域全体を「雨を受け止めるインフラ」にしていく。これは水害対策だけにとどまらない。

 貯めた雨水を散水などに利用できるほか、雨庭や緑地、樹木を適切に配置すれば、生きものの生息場所をつくり、植生の日陰や蒸発散によって都市の暑さを和らげる効果も期待できる。雨を早く排除するだけでなく、地域の資源として生かすことで、防災と都市環境の改善を両立させることができる。

 極端な大雨の頻度が増す中、下水道や河川を強化すると同時に、街と流域全体で雨を受け止め、それでもあふれる雨による被害をできるだけ小さくする。その上で、受け止めた雨を地域の資源として生かす。そうした多面的な都市づくりへの転換が求められている。

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